写心は如何なる場合においても自己表現です。何を写すにしてもその人
の観方、考え方が現れるからです。ですから「常々どのような考え方をして
いるか」ということ自体が、表現の内容や表現の仕方を決定しているとい
うことになります。
ともあれ明確に自己表現するには表現の内容を決定しなければなりませ
ん。単なるスナップでない限り、撮る前に意思決定をしておく必要がありま
す。表現の内容が決まれば、その表現の為の技法も自ずから決まります。
技法が必要なのはあくまで「如何なる表現をするか」という目的を明確に
すること、目的が曖昧ならば技法も中途半端となり、訴える内容がぼやけ
てしまいます。目的の曖昧なものは単に写したという程度の写真に留まり
鑑賞者にも中途半端にしか受け止められません。
そこで明確な表現意図を持ち、写心をするということを心掛けるために、
以下のことを認識してください。そうすれば表現としての方向性が明確に
なり、又、表現を活かすための技法も自ずから理解でき活用していけるよ
うになります。
先ず表現のパターンとして十二の分類を示します。これらの内どのパター
ンで撮るかという選択から始めてください。どの写真に於いても何れかの
パターンに当てはまり、或いはその複合で構成されています。
自分が今、撮ろうとする被写体をどのパターンで強調するか、先ず決定し
てください。それぞれの表現にマッチする構図や技法等があり、一番適切
な方法が見つかるはずです。狙いが明確であればあるほど簡単に選択で
きるものです。
《表現パターン》・・・・・・・・・(強調内容)
1.写実的記録表現・・・・・リアリティー重視。
2.観察的記録表現・・・・・生態や環境を忠実に再現。
3.決定的瞬間表現・・・・・シャッターチャンス重点。
4.色彩的表現・・・・・色彩や配色の妙。
5.造形的表現・・・・・造形・デザイン的な妙。
6.質感的表現・・・・・材質的リアリティー。
7.動感的表現・・・・・ダイナミズム。静と動の対比効果。
8.陰影的表現・・・・・光と陰。明暗。シルエット。
9.情景的表現・・・・・雰囲気。趣き。
10.叙情的表現・・・・・心情を託す。
11.心象的表現・・・・・心のイメージ。
12.超視覚的表現・・・・・通常の視覚(肉眼)で見られない世界。
以上
上記の十二の表現パターンの一々を熟知し、自己の表現法として確立し
ていくために常に撮影時に意識づけることが必要です。そしてその培った
表現力を通して、何を訴えたいのかという「精神的・内容的」なものを訴求
することで、人間的な奥深さのある作品として鑑賞者の感動を誘うことが
できるものです。
表現力や技法を駆使することは重要ですが、ものの姿・形、色彩等の表
面的なもののみに捉われていては「心の表現」には繋がりません。上記の
一々の表現を通して、作者自身が何を訴えたいかという「精神的テーマ」
を常に模索していくことが最重要になってくるのです。表現力も技法もその
為の手段でしかないということになります。表現とは「自身の心を表に表す
こと」なのですから・・・。
ー守道ー
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