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14 『花の写心表現について』
 

一般に「花を写す」という行為は、美しいと感じ、それを留めておきたいと

思う単純明快な動機から始まるのではないでしょうか。このことは、写す側

のストレートな感受性であり、記録としての行為であり、又、芸術としての

原点でもあると思います。このような出発点において、「写心」という表現

手段を用いて作品づくりをしていくことになります。

 
さて、一般の写真表現については色々意見があると思いますが、私は「花

の写心表現のあり方」を次の様に大きく三つに分類して考えています。

 
 
一、客観的表現(記録的再現)
    イ、花の姿・形・色等を忠実に再現。
    ロ、花の咲いている状況も含めた環境を再現。
 二、主観的表現(創意的表現)
    イ、主観による恣意的表現(具象表現)。
    ロ、精神世界を表現(心象・抽象表現)。
 三、主客不二表現
    撮り手と花の主客の立場を超えて爾二不二の関係で対象を捉え、
    或いは五感による対象の無意識的把握を表現。

    (この表現についての詳細は21章の「写心不二論」に記述していま
     す。)

 
以上、大別して三通りの表現のあり方を示しましたが、これは私の「花の

写心表現」に対する私観です。

 
一の「客観的表現」は、記録という観点から被写体を捉え、如何に表現す

るかということ、即ち表現である限り、より美しく、より感動的に、しかも忠

実に再現しなければなりません。

 
二の「主観的表現」は、被写体を撮り手の感性で如何に表現するか、つま

り記録に拘わらず、具象・抽象・心象を問わず、自由な考え方や発想にお

いて表現するものです。

 
三の「主客不二表現」は、一・二の表現を超えたものとして、私自身生涯

のテーマとして取り組もうとしている表現です。これを文字で表わすのは難

しいのですが、敢えていいますと、「花の心と、撮り手の心が一つになる」

という、そんな表現を目指すことです。

 
花は理屈抜きに魅力的です。あたかも女性の如く、美しくも怪しく、実に愛

しい存在です。眺めるだけで心安らぎ、幸福感に浸らせてくれます。そん

な想いを作品にして、見る人の心を少しでもハッピーにできたらと、反省と

研鑚を繰り返し、ライフワークとして撮り組んでいます。

 
以上、花についての表現のあり方を記しましたが、風景その他のジャンル

においても私は同様であると考えています。これらのことが皆様の参考に

なればと私観を述べてみました。

 
要は、撮る対象にどれだけ惚れこむか、又、楽しむかに全てが懸っている

ように思います。そうすれば必ず前進するはずですし、又、人を感動させ

得る素晴らしい作品が自然とモノにできると確信しています。焦らずじっく

りライフワークとして撮り組んで頂きたいと願っています。


                                                   ー守道ー
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